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Artemisia indica var. maximowiczii |
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万葉集でヨモギが登場するのは、大伴家持が詠んだ長歌が一首あるのみである。この歌は、久米朝臣広縄が朝集使として京へ行き、その任務を終えて、天平感宝元年5月27日に高岡に着任したのを祝い、越中の長官である大伴家持の館で宴席を設けたときに詠んだものである。菖蒲と蓬を髪飾りにして、その香りを宴席に漂わせながら酒をくみかわしたことがわかる。ヨモギとショウブの香りには邪気を祓う力があると信じられ、今でも「端午の節句」には、ヨモギとショウブを束ねて軒先に吊るしたりする。
ヨモギは、ビタミンやカルシウムが豊富で、さまざまな薬効を持っていて、常食すると寿命が延びる万病の薬とさえいわれる。また、草を乾燥させて、ついて砕き、ふるいにかける。ふるいに残った綿毛は、「もぐさ」と言われ、お灸に使われる。 |
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惟光も、
「とても踏み分けられないほどの蓬の露のひどさです。露を少し払わせてからお入りください」
と言うので、
たづねても われこそとはめ 道もなく 深き蓬の もとの心を
(探してでも訪ねてみよう 道もないほどに深く生い茂った蓬の宿の 昔と変わらない姫君の心を)
と独り言をおっしゃって、やはり車から降りられるので、惟光が源氏の君の足元の露を馬の鞭で払いながら邸に案内する。 |
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[蓬生] |
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三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
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・・・ほととぎす 来鳴く五月の あやめぐさ 蓬かづらき 酒みづき 遊び和ぐれど・・・
(ほととぎすが 来て鳴く五月に 菖蒲や 蓬を髪飾りにして 酒を飲み 遊んで気をまぎらわそうとするが・・・)
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大伴家持(巻十八―四一一六) |
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