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名前
栴檀(せんだん)
別名
楝(おうち)
学名
Melia azedarach
分類詳細
センダン科センダン属 落葉高木
5〜6月
5〜15m
駆虫・皮膚疾患・抗菌(樹皮・果実)
 身ノ毛孔ノ中ヨリ常ニ牛頭栴檀ノ香ヲ出サン『法華経』

 の栴檀は、東インドに分布する常緑小高木のビャクダン(Santalum album Linn. )のことで、センダン科のセンダンではない。
 センダンの古名は、右の万葉集のように楝である。古名の楝をセンダンと呼ぶようになったのは、和漢三才図会によるらしい。
 センダンは、初夏に紫色の花が咲いた後、実が熟すと黄色に染まるが、万葉人はこの実を採って、「珠に貫いて」身につけたようである。
 大将が寄りかかっていらっしゃった柱にも座布団にも、残っている移り香は、いまさら言うのもわざとらしいほど素晴らしい。時々お姿を拝見する中の君の女房たちでさえ、お会いするたびごとに褒める。
「お経などを読むと、功徳の優れたことの一つとして、香の芳ばしいのを尊いことと仏が説いていらっしゃるのはもっともね。法華経の薬王品などに特別にお説きの牛頭栴檀(ごずせんだん・身ノ毛孔ノ中ヨリ常ニ牛頭栴檀ノ香ヲ出サン[法華経])というのは、大げさな名前だけれど、とにかくあの殿が近くで身動きなさると、その芳香によって仏が真をお説きになっていると思わずにはいられない。幼い頃から、勤行もとても熱心になさったからよ」    
 などと言う女房もいる。でしょう)                                         
[東屋]
三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋
ほととぎす楝の枝に行きて居ば花は散らむな玉と見るまで
(ほととぎすが 楝の枝に 飛んでいってとまったら きっと花は散るだろう 玉だ と思うほど)
大伴家持(巻十七―三九一三)
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