|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ウツギは、幹が空洞になっているから「空木」と書き、万葉集では、
卯の花も いまだ咲かねば ほととぎす 佐保の山辺に 来鳴きとよもす
というように「うのはな」の名前で登場するが、花が卯月(うづき/陰暦4月、現在のほぼ5月)に咲くから「卯の花」と呼ばれるようになった。
卯の花といえば、学校唱歌を習った人なら、
卯の花の 匂う垣根に
時鳥(ほととぎす) 早も来鳴きて
忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ
と、佐々木信綱作詞の『夏は来ぬ』を思い出すだろうが、最近、卯の花の生け垣はほとんど見かけなくなってしまった。M.A.C Gardenでは、広島の山にある盆栽屋さんから挿し木をもらって育てているが、花が咲くのはおそらく2018年の初夏だろう。
ウツギの果実、樹皮、枝、葉は、民間薬として利用され、茎は硬く腐りにくいので、酒樽の木栓や槌、木釘として古くから用いられている。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
北東の住まい(花散里)は、涼しそうな泉があって、夏の木陰を主として造ってある。庭先の植え込みは、呉竹を下風が涼しく吹き通すように植えてあり、高い木が森のように茂っていて趣がある山里といった感じで、卯の花の垣根をわざわざめぐらして、昔をしのばせる花橘、撫子、薔薇、くたに(不明 竜胆とも牡丹とも)などの花をいろいろ植えてあり、春や秋の草木をその中に混ぜてある。 |
|
|
[少女] |
|
|
三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
|
|
|
|
|
|
卯の花も いまだ咲かねば ほととぎす 佐保の山辺に 来鳴きとよもす
(卯の花も まだ咲いていないのに ほととぎす 佐保の山辺に もう来て鳴いてい る)
|
|
|
大伴家持(巻八―一四七七) |
|
|
|
|
|
ほととぎす 鳴く声聞くや 卯の花の 咲き散る岡に 葛引く娘子
(ここでほととぎすの 鳴く声を聞こう 卯の花の散っている岡で 葛を引く娘よ) |
|
|
読人しらず(巻十―一九四二) |
|
|
うぐひすの 通ふ垣根の 卯の花の 憂きことあれや 君が来まさぬ
(うぐいすの 通う垣根の 卯の花の 嫌なことがあったのか あの人が来てくれな い) |
|
|
読人しらず(巻十―一九八八) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|