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萱草(かんぞう) 藪萱草(やぶかんぞう) 野萱草(のかんぞう) |
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Hemerocallis fulva var. kwanso |
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忘草は和名で、漢名は「萱草(かんぞう)」である。中国の『文選』という書物に、
「萱草は憂いを忘れさせる草」
と記されている。それが日本に伝えられ、平安時代の漢和辞書である『和名類聚抄』に、
「萱草、一名憂いを忘れる、和須禮久佐(わすれくさ)のこと」
と万葉仮名で書かれている。
今、カンゾウと呼ばれている植物は、花が八重咲きの「ヤブカンゾウ」と、一重咲きの「ノカンゾウ」の二種類があり、どちらも『万葉集』の「わすれぐさ」のことだと言われている。M.A.C
Gardenで紹介しているのはヤブカンゾウである。
ヤブカンゾウ、ノカンゾウともに食用になり、春の若菜はおひたしや和物、天ぷらなどに、夏の花や蕾は天ぷらや佃煮に利用できる。 |
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「あてき(女童の呼び名)は、今となってはわたしを頼りにするんだよ」
とおっしゃると、女童は激しく泣く。小さな衵(あこめ・下着)をだれよりも黒く染めて、黒い汗衫(かざみ・表着)、萱草色(かんぞういろ・黒味をおびた黄色)の袴などをつけているのもかわいらしい姿である。 |
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[葵] |
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中将の君が東面(ひがしおもて)の部屋でうたた寝しているのを、院が近寄ってごらんになると、中将の君はとても小柄で可愛らしい様子だったが、すぐに目覚めて起き上がった。頬のあたりが華やかで、寝起きの上気した顔をそっと隠すようにして、少しほつれてふくらんだ髪のかかりぐあいなどが、とても愛らしい。紅の黄色がかった袴、萱草色の単衣、濃い鈍色の袿に黒い上着などが、着崩れて、裳や唐衣も脱いでいたのを、さりげなく着せ掛けたりしているが・・・・・・ |
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[幻] |
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三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
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忘れ草 我が下紐に 付けたれど 醜の醜草 言にしありけり
(恋を忘れるという忘れ草を 下着の紐につけてみたが 忘草とは名ばかりのひどい 草 恋の苦しみを忘れさせてはくれない )
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大伴家持(巻四―七二七) |
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忘れ草 垣もしみみに 植ゑたれど 醜の醜草 なほ恋ひにけり
(忘れようと 忘れ草を 垣根までびっしり 植えたけれど 醜いこの草は 少しも 効果がなく やはり恋しい) |
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読人しらず(巻十二―三〇六二) |
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