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河原撫子(かわらなでしこ) 大和撫子(やまとなでしこ) |
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Dianthus superbus L. var. longicalycinus |
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ナデシコは、河原撫子(かわらなでしこ)、大和撫子(やまとなでしこ)などと言われるが、古名は常夏(とこなつ)である。
大和撫子とは、唐撫子(からなでしこ・石竹)に対して言ったものである。
ナデシコの名は、撫でてみたくなるような可憐さがあることからついたと言われる。
ナデシコは、奈良、平安の貴族階級の人たちに特に愛された花で、万葉集で取り上げられた26首の歌の中で、作者不明の歌は3首だけで、残りは大伴家持、大伴池主
、丹生女王、笠女郎、橘諸兄など有名な歌人の詠んだ歌がほとんどということからも明らかである。中でも、大伴家持のナデシコ好きは明らかで、11首もの歌を残している。 |
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「なでしこの とこなつかしき 色を見ば もとの垣根(かきね)を 人やたづねむ
(撫子の いつまでも美しい あなたを見たら 亡くなった母君のことを 内大臣はお尋ねになるでしょう)
それが面倒なので、あなたをこうして隠しているのだが、それを心苦しく思っています」
とおっしゃる。姫君は泣かれて、
山がつの 垣ほに生ひし なでしこの もとの根ざしを たれかたづねん
(卑しい田舎の 垣根で育った わたしの 母のことまで だれが尋ねてくれるのでしょう) |
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[常夏] |
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三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
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野辺見れば なでしこが花 咲きにけり 我が待つ秋は 近付くらしも
(野辺を見ると なでしこの花が 咲いてきた わたしの待つ秋は 近づいたようだ)
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読人しらず(巻十―一九七二) |
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愛しみ 我が思ふ君は なでしこが 花になそへて 見れど飽かぬかも
(素晴らしい人だと わたしが思うあなたは なでしこの 花に見立てて 見飽きる ことがありません) |
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大伴家持(巻二十―四四五一) |
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