M.A.C Garden top 春 Spring 秋 Autumn 冬 Winter 外伝 Another story
名前
菖蒲(しょうぶ)
別名
菖蒲草(あやめぐさ)
学名
Acorus calamusi
分類詳細
単子葉植物 多年草 ショウブ科
5〜6月
50〜100cm
不眠症 リュウマチ 神経痛(葉)
 ショウブの古名は、菖蒲草(あやめぐさ)で、アヤメ科に属するアヤメと混同されやすいが、ショウブはショウブ科に属し、別種の植物である。
 アヤメと違って、ショウブの花は、淡黄色の肉穂で鑑賞価値がないが、葉に香りがあるのが特色である。
 その香りによって病魔を打ち払い、災厄から逃れられるというので、端午の節句の前夜に、このショウブの葉を束ねて軒先につるし、葉を風呂に入れて菖蒲湯として入浴する習慣が生まれた。
今日さへや ひく人もなき 水隠れに 生ふるあやめの ねのみなかれん
(端午の節句の今日でさえ 引く人もなく水に隠れて生えている菖蒲の根 それではないがわたしは声をあげて泣くだけです)  

 語り草にもなりそうな長い菖蒲の根に結びつけてあったので、源氏の君は、
「今日の返事はぜひ」  
 などとすすめておいてお帰りになる。女房たちも、
「やはりお返事を」  
 と申し上げるので、姫君もどう思われたのか、

「あらはれて いとど浅くも 見ゆるかな あやめもわかず なかれけるねの
(菖蒲の根が現れてみると浅く見えます 分別もなく声に出して泣いてしまいます)  

 お気持ちがお若いですね」  
 とだけほのかに書いてある。      
[螢]
三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋
ほととぎす 厭ふ時なし あやめぐさ 縵にせむ日 こゆ鳴き渡れ
(ほととぎすよ いやな時などはない あやめ草を 髪飾りにする日は ここを鳴い て過ぎて行きなさい)
田辺福麿(巻十八―四〇三五)
白玉を 包みて遣らば あやめぐさ 花橘に 合へも貫くがね
(真珠を 包んで送ったら あやめ草や 花橘と一緒に通して 五月の玉にするだろう )
大伴家持(巻十八―四一〇二)
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