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ショウブの古名は、菖蒲草(あやめぐさ)で、アヤメ科に属するアヤメと混同されやすいが、ショウブはショウブ科に属し、別種の植物である。
アヤメと違って、ショウブの花は、淡黄色の肉穂で鑑賞価値がないが、葉に香りがあるのが特色である。
その香りによって病魔を打ち払い、災厄から逃れられるというので、端午の節句の前夜に、このショウブの葉を束ねて軒先につるし、葉を風呂に入れて菖蒲湯として入浴する習慣が生まれた。 |
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今日さへや ひく人もなき 水隠れに 生ふるあやめの ねのみなかれん
(端午の節句の今日でさえ 引く人もなく水に隠れて生えている菖蒲の根 それではないがわたしは声をあげて泣くだけです)
語り草にもなりそうな長い菖蒲の根に結びつけてあったので、源氏の君は、
「今日の返事はぜひ」
などとすすめておいてお帰りになる。女房たちも、
「やはりお返事を」
と申し上げるので、姫君もどう思われたのか、
「あらはれて いとど浅くも 見ゆるかな あやめもわかず なかれけるねの
(菖蒲の根が現れてみると浅く見えます 分別もなく声に出して泣いてしまいます)
お気持ちがお若いですね」
とだけほのかに書いてある。 |
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[螢] |
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三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
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ほととぎす 厭ふ時なし あやめぐさ 縵にせむ日 こゆ鳴き渡れ
(ほととぎすよ いやな時などはない あやめ草を 髪飾りにする日は ここを鳴い て過ぎて行きなさい)
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田辺福麿(巻十八―四〇三五) |
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白玉を 包みて遣らば あやめぐさ 花橘に 合へも貫くがね
(真珠を 包んで送ったら あやめ草や 花橘と一緒に通して 五月の玉にするだろう ) |
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大伴家持(巻十八―四一〇二) |
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