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茜は、藍、紫とともに古くから染料を代表する草の一つである。赤黄色した根を採り、くすんだ赤色に染めるのが「あかね染め」である。根は薬用にも利用される。
万葉集で「あかね」が登場する歌は13首。すべて紫、日月、昼などにかかる枕詞で、植物のアカネを詠んだ歌はない。これは、夜、夕、黒馬、黒髪、夢、寝るなどの黒色や暗さを連想させる枕詞として使われる「ぬばたま」と同じである。 |
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紫の上は、
「いやだわ。いくら帝を素晴らしい方だと思っても、じぶんのほうから宮仕えを考えるなんて、あまりにも出過ぎたことでしょう」
と笑われる。
「さあ、どうかな。そういうあなたこそ帝に夢中になるかもしれない」
などとおっしゃって、源氏の君はまた姫君に返事を、
あかねさす 光は空に くもらぬを などてみゆきに 目をきらしけむ
(美しい光が空に曇りなく射していたのに どうして雪に目をくもらせて帝をはっきりご覧にならなかったのだろう)
やはり出仕を決心なさい」
などと書いてしきりに勧められる。 |
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[行幸] |
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三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
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あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る
(紫草野を行き 標野を行って 野守が見ているではありませんか あなたが袖を 振るのを )
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額田王(巻一―二〇) |
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あかねさす 日は照らせれど ぬばたまの 夜渡る月の 隠らく惜しも
(日は照らしているが 夜空を渡る月が 隠れるのが惜しい) |
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柿本人麻呂(巻二―一六九) |
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あかねさす 日並べなくに 我が恋は 吉野の川の 霧にたちつつ
(何日も経たないのに 家恋しさの嘆きは 吉野の川の 霧となってあらわれている) |
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車持千年(巻六―九一六) |
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