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カツラは、北海道から九州の山地に自生する日本特産の落葉高木である。
春、葉が出る前に赤い糸状の花が咲くが、花弁がなく、雌雄異株で、雌花には雌しべが、雄花には多数の雄しべが苞の中から飛び出し、雄株と雌株の小枝一面が紅紫色に染まる。
カツラの花は風で花粉が運ばれる「風媒花(ふうばいか)」で受粉に虫の助けを借りる必要がない。だから虫の注意を惹くための花びらや甘い蜜は必要なく、地味な姿になっている。カツラに限らず風媒花は外見が地味で目立たないものが多い。雌株は花後に果実を付ける。果実は長さ1cmくらいで、バナナのような形をしている。秋に黒紫に熟して割れ、翼のある種が散る。
賀茂神社の葵祭では、カツラの小枝に双葉葵をつけたもので社殿を装飾し、行列の斎王、勅使、神官たちは、カツラを頭にかざして供奉する。
古事記には、「湯津香木(ゆつかつら)」、日本書紀には「湯津杜樹(ゆつかつらのき)」「百枝の杜樹(ももえのかつらのき)」とあり、神聖な木とされている。 |
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「今日は六日間の物忌みがあける日だから、源氏の君が必ずいらっしゃるはずなのに、どうしたのだろう」
とおっしゃったので、桂の院にこのように逗留なさっているのをお聞きになって、帝から源氏の君へ手紙があったのである。使者は蔵人弁だった。
「月のすむ 川のをちなる 里なれば 桂のかげは のどけかるらむ
(月が澄んでいる川向こうの里だから 月の光ものどかでしょう)
うらやましい」
とある。源氏の君は恐縮して参内しなかったお詫びの返事をなさる。 |
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[松風] |
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三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
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向つ峰の若桂の木下枝取り花待つい間に嘆きつるかも
(向こうの峰の 若い桂の木の 下枝を手に取って 花が咲くのを待つ間に ため息 をついた)
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読人しらず(巻七―一三五九) |
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