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阿利乃比布岐(ありのひふき) 阿利乃比布木(ありのひふき) |
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桔梗は、出雲風土記に初めて登場し、古来から観賞用及び薬用として栽培されている。
桔梗の和名として、平安時代に編纂された漢和辞典『『新撰字鏡(しんせんじきょう)』に、「阿佐加保(あさがお)」と記されている。
『万葉集』に出てくる朝顔は、従来、ムクゲ、アサガオ、ヒルガオとする説があったが、現在はキキョウとする説が有力である。
キキョウは、別名「アリノヒフキ」とも言われ、日本最古の本草書である『本草和名(ほんぞうわみょう)』には「阿利乃比布岐(ありのひふき)」と記され、日本最初の漢和辞典である『和名類聚鈔(わめいるいじゅしょう)』では、「阿利乃比布木(ありのひふき)」と記されている。とても変わった名前だが、どちらも「蟻(あり)の火吹」と解釈されている。古代人には、蟻がキキョウの青紫色の花びらを噛むと、その部分が赤く変色して、蟻が火を吹いたように見えたからである。
これは、青いリトマス紙を酸性の液につけると赤く変わるのと同じで、キキョウの花の紫色の色素であるアントシアニンが蟻の出す蟻酸(ぎさん)によって赤色に変わったことを示しているが、それにしても古代人は、ただ花と蟻を観察することによって、「蟻の火吹」などという名前をつけたものだと、その想像のユニークさに感心する。 |
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小野の里も宇治と同じようにもの寂しい住まいで所在ないが、妹の尼君たちなど住みなれている人たちは、すっきりと清らかな風情ある暮らしぶりで、垣根に植えてある撫子も趣深く、女郎花や桔梗なども咲き始めているところに、色とりどりの狩衣姿の若い男たちを大勢引き連れて、中将の君も同じ装束で入ってくるのを、南面に招き入れると、中将の君はぼんやりと外を眺めて座っている。年は二十七、八歳くらいで、大人びていて、分別のありそうな様子が身に備わっている。 |
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[手習] |
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三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
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朝顔は 朝露負ひて 咲くといへど 夕影にこそ 咲き増さりけれ
(朝顔は 朝露を浴びて 咲くというが 夕方の光の中でこそ いっそう咲き誇って いる)
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読人しらず(巻十―二一〇四) |
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臥いまろび 恋ひは死ぬとも いちしろく 色には出でじ 朝顔が花
(身悶えして 恋に死んだとしても 目立つほど 顔色にはださないようにしよう 朝顔の花のようには) |
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読人しらず(巻十―二二七四) |
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