|
|
|
|
|
|
|
|
|
蘭(らん) 香草(こうそう 香水蘭(こうすいらん) 蘭草(らんそう) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
フジバカマは、その形が袴に似ていることから「藤袴jと名づけられた。
フジバカマが『万葉集』で詠われているのは、右の山上憶良の歌一首だけである。
フジバカマの茎や葉を刈り取って乾燥させると、桜餅の葉と同じクマリンの甘い香りがするので、平安時代には部屋の隅において、その香りを楽しみ、「蘭(らん)」と言った。日本最古の本草書である『本草和名(ほんぞうわみょう)』には、
「蘭草、布知波加麻(ふちはかま)」
と記されている。
ところが、この蘭の文字は、後の世にラン科植物にすりかえられた。
江戸後期の国学者、屋代弘賢(やしろひろたか)が編集した『古今要覧稿(ここんようらんこう)』に、
ふぢばかま。(中略)これを歌によみて秋の七種の数に入しは、山上憶良を始とし、それを字音にて「らに(蘭)」と憶へしは紫式部を始とす」
とある。
中国では、「香草(こうそう)」「香水蘭(こうすいらん)」「蘭草(らんそう)」などと呼ばれ、身につけたり、浴湯に入れたりして利用された。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
中将は蘭の花(藤袴)のとても美しいのを持っていらっしゃったが、御簾の端からさし入れて、
「この花もごらんになるわけがあります」
と、すぐには手放さないで持っていらっしゃったが、そうとは気づかないで花を取ろうとなさる姫君の袖を中将はつかんで引いた。
おなじ野の 露にやつるる 藤袴 あはれはかけよ かごとばかりも
(同じ祖母の死を悲しむわたしを愛しいとおっしゃってください ほんの少しでも) |
|
|
[藤袴] |
|
|
三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
|
|
|
|
|
|
萩の花 尾花葛花 なでしこが花 をみなへしまた 藤袴朝顔が花
(萩の花 尾花に葛の花 なでしこの花 おみなえし それに藤袴 朝顔の花)
|
|
|
山上憶良(巻八―一五三八) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|