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Physalis alkekengi var. franchetii |
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ホオズキは、その茎にホオ(カメムシ類の方言)という昆虫がつくことに由来する。漢名は酸漿で、その根、茎、葉を漢方薬に用いる。
ホオズキは、7〜8月頃の開花中に、地下茎および根を掘り取り、よく水洗いして日干しにする。これを生薬の酸漿根(さんしょうこん)という。また、全草を乾燥したものを、酸漿(さんしょう)という。熟した果実は、水洗いして日干しにし、煎じて飲用する。
ホオズキの母種は、中南欧から小アジア、中央アジアに分布していて、日本で栽培されているものは、その変種である。
古事記の八俣の大蛇のところで、
「彼の目は、赤かがちの如くして、身一つに八つの頭・八つの尾有り。亦、其の身に蘿と檜・椙と生ひ、其の長さは谿八谷・岐八尾に度りて、其の腹を見れば、悉く常に血え爛れたり」とまをしき〈此に赤かがちと謂へるは、今の酸醤ぞ〉。
「その目は、赤かがちのように真っ赤で、ひとつの体に八つの頭と八つの尾があります。そして、体には日陰(ひかげの)蔓(かずら)や檜(ひのき)、杉が生えていて、その長さは八つの谷と八つの山をあわせたほどで、その腹を見ると、いつも血がにじみただれています」
と申し上げた。〈ここで赤かがちというのは、今のほおずきのことである〉
とある。 |
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「風と一緒にどこかへ行ってしまうなんて、軽々しいのでは。それにしてもどこか目当ての所があるにちがいない。だんだんわたしを嫌う気持ちが出てきたみたいだな。無理もないが」
とおっしゃると、姫君は、
〈ほんとうに、思ったままを言ってしまったな〉
と思われて、じぶんでも笑われる、その顔色と顔つきがとても美しい。ほおずきのようにふっくらとして、髪のふりかかった隙間から見える肌が可愛らしく感じられる。ただ、目もとが朗らかすぎるのが、あまり上品には見えない。そのほかは非の打ちどころもない。 |
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[野分] |
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三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
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