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クチナシは、『源氏物語』では染色植物として見ていて、漢方薬とか花の観賞という観点からは取り上げていない。
クチナシは純白の花を咲かせて強い香りを漂わせ、秋には橙赤色の果実をつける。この果実が黄色の染料として利用されたのである。
果実は熟しても裂開しない、つまり口が開かないことから「口無し」の和名がつけられたとされ、室町中期の国語辞書である『下学集(かがくしゅう)』に「無口」と記されたのが始まりという。
なお、クチナシの八重咲きはアメリカで改良された園芸品種で実をつけない。 |
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空蝉の尼君には、青鈍色の織物のとても趣味のいいのを見つけられて、じぶんのお召し料の中の梔子色(くちなしいろ)の衣に聴色(ゆるしいろ/誰が着ても許される色 薄紅色)を加えられて、どなたにも元旦に着るようにと手紙を出される。それぞれの女君のほんとに似合った晴れ着姿をごらんになりたいからである。 |
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[玉鬘] |
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三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
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