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ワレモコウは、山野に自生し、夏から秋にかけて茎の先端に小花がたくさん集まって卵形をした花穂をつける。花は渋い赤色、花びらに見える部分は萼(がく)で花びらは退化している。
ワレモコウは、小花を先端から下に向かって咲かせる、いわゆる「有限花序(ゆうげんかじょ)」である。
根は太くてタンニンを多く含んでいて、漢方では止血薬などに用いられる。 |
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萩には香りがないので少しも興味を示さず、老いを忘れる菊や、衰えてゆく藤袴、見栄えのしない吾亦紅(われもこう)などは香りがあるので、荒涼とした霜枯れの頃 までお見捨てにならないといったように、わざとらしく見えるほど香りに執着して 心惹かれていらっしゃる。こういうわけなので、この兵部卿宮のことを、
「少々軟弱で、趣味にのめり込んでいらっしゃる」
と世間の人は思い、噂している。 |
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[匂兵部卿] |
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三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
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