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古事記に、
「次に、国稚く浮ける脂の如くして、くらげなすただよえる時に、葦牙の如く萌え騰れる物に因りて成りし神の名は、宇摩忘阿斯訶備比古遅神。
(次に、大地はまだ若く水に浮かんでいる脂のようで、くらげのように漂っている時、葦が泥の中から芽を出してくるような勢いで出て来られたのが、ウマシアシカビヒコヂの神)」
とあり、豊葦原瑞穂国というように、葦は日本各地の沼、沢、河辺などに生育している。
源氏物語でも、葦が、屋根や垣根や簾の材料に使われていることがわかる。
葦は、「悪し」に通じることから「善し(ヨシ)」とも呼ぶ。 |
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また別の日、源氏の君はとても心を込めてお便りをなさる。例によって小さい結び文に、
「いはけなき 鶴の一声 聞きしより 葦間になづむ 舟ぞえならぬ
(幼い鶴の一声を聞いてから 葦の間を漕いで行く船のもどかしさ)
『同じ人(堀江漕ぐ 棚無し小舟 漕ぎかえり 同じ人にや 恋ひわたりなむ [古今集])』姫君だけを恋し続けます」
と、わざと子供っぽく書いてあるのも、とても見事なので、
「このまま習字のお手本に」
と女房たちが言う。 |
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[若紫] |
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三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
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葦の葉に 夕霧立ちて 鴨が音の 寒き夕し 汝をば偲はむ
(葦の葉に 夕霧が立って 鴨の声の 寒々と聞こえる夕べに あなたはきっと偲ぶだろう)
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防人が歌(巻十四―三五七〇) |
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