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名前
女竹(めだけ)
別名
女竹(おんなだけ) 苦竹(にがたけ) 川竹(かわたけ) なよ竹 弱竹(よわたけ)
学名
Pleioblastus Simonii
分類詳細
イネ科 常緑ササ類
5〜6月
2〜8m
籠の縁取り うちわなどの細工物 釣竿 杖
 女竹は、「真竹・男竹」に対してとても小さくて細いから名づけられた。川岸や湿気の多い所によく育って藪を作る。
 筍の味が苦いから「苦竹」、川の竹だから「川竹」、なよなよと靡くから「弱竹」、折れにくいから「なよ竹」とも呼ばれるほど別名が多い。
 万葉集では「篠(しの)」の名で登場するが、この「しの」は女竹という説のほかに、「矢竹」「根笹」という説もある。
 「篠」は、「しなやかに靡く」「しなう」という意味があり、『大和本草』には、「女竹の小なるを篠竹と云ふ」と記されている。細い篠竹で作った横笛を「篠笛」という。
 中国から伝来した「笙(しょう)」や「ひちりき」などの雅楽に欠かせない楽器の素材が女竹である。
 女は源氏の君がこの上ない美しい姿なので、ますます身も心も許してしまうのはみじめに思われるので、
〈強情で嫌な女だと思われても、そういう色恋沙汰はまったくだめな女で通そう〉
 と思って、そっけなくしている。もともと人柄はやさしいのに、無理に強がっているので、なよ竹のような折れにくい感じがして、さすがに源氏の君は口説き落とせない。  
 女はとても不快で、源氏の君の強引な仕打ちを、
〈ほんとにひどい〉  
 と思って、泣く様子などはたいへん哀れである。源氏の君は心苦しいが、
〈関係しなかったら、きっと後悔しただろう〉  
 と思われる。                                   
[帚木]
三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋
うちなびく 春さり来れば 篠の末に 尾羽打ち触れて うぐひす鳴くも
(春が来ると 篠の先に 尾や羽を触れて うぐいすが鳴く)
読人しらず(巻十―一八三〇)
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