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賀茂葵(かもあおい) ひかげぐさ ふたばぐさ 挿頭草(かざしぐさ) 両葉草(もろはぐさ) |
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「逢う日」にかける賀茂神社の葵祭の「葵」は、フタバアオイである。
フタバアオイは、湿った山間に野生し、茎は地上を這い、各所に短枝があり、二葉をつける。花は赤褐色で、花びらはなく、反り上がった3枚の萼片が筒状についている。 |
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源氏の君は、
〈どんな好き者だろう〉
と思われて、場所もなるほどいい所なので、車を近づけさせられて、
「どうしてこんなにいい場所をお取りになったのか、癪ですね」
とおっしゃると、しゃれた扇の端を折って、
はかなしや 人のかざせる あふひゆゑ 神のゆるしの 今日を待ちける
(つまらないわ ほかの人のものになったあなたなのに 神様もお許しになる今日の葵祭りを待っていたとは)
注連縄の内には入れない」
と書いてある筆跡を思い出すと、あの典侍だった。
〈呆れるな、年がいもなく若ぶってる〉
と憎らしくなって、そっけなく、
かざしける 心ぞあだに 思ほゆる 八十氏人(やそうじびと)に なべてあふひを
(葵祭を頼りにして待っていたとはそらぞらしい 今日は誰と逢ってもいい祭なのに) |
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[葵] |
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三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
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