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ササユリは、日本にだけ自生する貴重なユリで、その葉が笹に似ているところから笹百合と名づけられた。
ササユリは、『万葉集』では「さきくさ(三枝)」という名で登場しているという説が一般的である。右の万葉集の「さきくさ」は、「中」にかかる枕詞である。
桜井市三輪の大神(おおみわ)神社の摂社である率川いさがわ)神社では、毎年、6月17日に「三枝祭(さいぐさまつり)」が行われる。
一般に「ゆりまつり」と呼ばれるこの祭りは、無病息災を祈願する例祭で、大神神社のご神体である美輪山で摘んだササユリが神前に供えられ、四人の巫女がササユリを持って「ゆりの舞」を奉納するという。
ササユリの花の特性として、数年生育して初めて三個の花をつけるそうだ。 |
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「あはましものをさゆりはの(待っていたら今朝咲いた初花の百合に会えたのに)」
と謡い終わったところで、三位中将が源氏の君に盃(酒)をすすめられる。
それもがと けさひらけたる 初花に おとらぬ君が にほひをぞ見る
(それを見たいと 今朝花開いた初花に劣らないあなたの美しさですね)
源氏の君は微笑んで盃をお受けになる。
時ならで けさ咲く花は 夏の雨に しをれにけらし にほふほどなく
(季節はずれの今朝咲いた花は夏の雨で萎れたらしい 咲き匂う間もなく) |
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[賢木] |
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三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
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・・・我が中の 生まれい出でたる 白玉の 我が子古日は 明星の 明くる朝は しきたへの 床の辺去らず 立てれども 居れども 共に戯れ 夕星の 夕になれば いざ寝よと 手を携はり 父母も うへはなさがり さきくさの 中に寝むと 愛しく しが語らば・・・
(わたしたち夫婦の間に 生まれてきた 白玉のような わが子古日は (明星の)朝ともなれば (しきたえの)床のあたりを離れず 立っても 座っても 一緒に戯れ (夕星の)夕方ともなれば さあ一緒に寝てよと
手を取って 「お父さんもお母さんもそばを離れないでね(さきくさの)真ん中で 寝るよ」と かわいらしく あの子が言うので・・・)
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山上憶良(巻五―九〇四) |
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