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紅花はエジプト原産で、中国の古名「呉(ご)」を経て渡来した藍ということで「呉藍(くれあい)」と名づけられ、それが紅(くれない)となり、紅花と呼ばれるようになった。この花を、染料として茎の末にある花から摘み採るところから、「末摘花」ともいう。
紅花は古代から紅の染料として知られるが、その種子はリノール酸が多く含まれていて、血液中のコレステロールを除いたり、動脈硬化の予防に効果があるといわれる。 |
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今流行の薄紅色の見るにたえない艶もない古めかしい単衣と、表と裏が同じほど濃い紅色の直衣とが、衣裳箱の中でなんのとりえもなく褄(着物の衿先から下の縦の部分)を見せている。源氏の君は、
〈ひどいな〉
と思われて、手紙を広げたまま、その片隅にいたずら書きなさるのを、命婦が横から見ると、
なつかしき 色ともなしに 何にこの すゑつむ花を 袖にふれけむ
(心を惹かれる色でもないのに どうしてこんな末摘花〔紅花(べにばな)の異名〕の袖に触れたのだろう)
色の美しい花だと思ったのに」
などと書き汚していらっしゃる。 |
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[末摘花] |
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三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
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外のみに 見つつ恋ひなむ 紅の 末摘む花の 色に出でずとも
(遠目にばかり 見て恋し続けよう 紅花の 末摘む花のようには 目立たなくても)
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読人しらず(巻十―一九九三) |
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立ちて思ひ 居てもそ思ふ 紅の 赤裳裾引き 去にし姿を
(立っては思い 座っても思う 紅の 赤裳の裾を長く引いて 去って行ったあの娘 の姿を) |
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読人しらず(巻十一―二五五〇) |
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