|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ヤマアイは、古代から染色に利用されてきた植物で、右の万葉集でも、
「山藍もち 摺れる衣着て」
と詠まれてい、山藍が藍染めに使われていたことが実証される。
藍色に染める草で、普通のアイが畑で栽培されるのに対し、ヤマアイは山地に自生しているので名づけられた。昔からこの生葉をついて汁をとり、新嘗祭で使う小忌衣(おみごろも)を染めたという。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
大げさな高麗や唐土の雅楽よりも、東遊の聞きなれた音色のほうが、懐かしく興をそそり、波や風の音に響き合い、木高い松を鳴らす風の音にあわせて吹きたてている笛の音も、よそで聞く調べとは違って身にしみ、琴にあわせた拍子も、太鼓を使わないで調子を整えているのが、大げさでないのも、優艶でぞっとするほど面白く、場所が場所だけに一層素晴らしく聞こえる。舞人たちの装束の山藍の葉で摺った竹の節の模様は松の緑と見間違い、挿頭の花のさまざまな色は秋の草と区別がつかず、なにもかも見違えてしまう色合いである。 |
|
|
[若菜下] |
|
|
三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
|
|
|
|
|
|
・・・紅の 赤裳裾引き 山藍もち摺れる衣着て ただひとり い渡らす児は 若草の夫かあるらむ・・・(長歌)
(・・・紅染めの 赤裳の裾を引き ヤマアイで染めた服を着て ただひとり 渡ってい るあの娘には 若草の夫がいるだろうか・・・)
|
|
|
高橋虫麻呂(巻九―一七四二) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|