THE WORLD OF THE DRAMA 演劇の世界
「演劇の世界」コンテンツ
トップ 公演履歴 深層の劇 劇音楽 小道具 夢見る本 演出日記 台本 戯曲解釈 俳優育成 DVD
三澤憲治の演出日記
◇俳優歴13年、演出歴19年の広島で活動した演出家、三澤憲治の演出日記 三澤憲治プロフィール
2017年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年
2009年
2008年
2007年
2006年
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月
2006年5月10日(水)

 NHKのクローズアップ現代はとてもいい番組だ。演劇人にとって現在を考えるという意味でいつも重宝している。きょうはキレる子≠ェテーマで、どうして最近の子はキレやすいのかを、脳科学で解明したものだった。キレるということは、感情がオーバーヒートしてしまって、ある限界の時間までにそれを鎮めることができないことだと、わたしは認識しているが、このキレることを予防するためにある保育園と更生施設での取り組みが面白かった。保育園では主に身体のコミュニケーションによって、更生施設では言葉のコミュニケーションによってそれを予防する訓練を重ねているのだ。
 この身体と言葉のコミュニケーションは、わたしたちHASでやっている〈からだ〉〈ことば〉〈こころ〉のレッスンに通じるものがある。いや、わたしたちがやっていることが、演劇とはまったく別の世界でもやられていて、それが科学的に有効であることが証明されていることを知って、少し気を良くした。
 言うまでもなく演劇は関係性(コミュニケーション)の総合芸術だ。演劇の関係性は以下のように非常に多様である。
 
 ●俳優と役との関係性 ●登場人物の関係性 ●俳優と観客との関係性 ●作品と俳優との関係性 ●作品と観客との関係性 ●作品と歴史性との関係性 ●作品と現在との関係性・・・・・・

 わたしの小学校の頃には、演劇は国語の教科のひとつだったので、ドラマを演じることができたし、関係性も学ぶことができた。わたしは小学生の頃には衣裳のかっこよさに憧れて桃太郎をやりたかったが、やらされたのはいつも腹巻姿の金太郎だった。今でこそ桃太郎はわたしの仁(ニン:歌舞伎用語)ではないとわかるが、こういう幼いときにじぶんの希望しない役を演じたことが、じぶんと対話(コミュニケーション)することに寄与したんだなあと、今にして思える。

2006年5月1日(月)

 先日、土井洋輝くんが某局の数回のオーディションをパスして、超大型テレビドラマの出演が決まった。わたしもこのドラマには若かりし頃出演したので思い入れが深い。オンエアされるまでは丸秘事項なので詳しいことは書けないが、あの時は子役が大評判になったことを想いだす。土井くんも先輩子役たちの輝かしい伝統を汚すことなく、これからの日常生活を切磋琢磨して、じぶん自身の持てる力を十二分に発揮してもらいたい。
 ちなみに土井くんには、ドラマの設定が大阪だといことなので、劇団SEED旗揚げ公演の時に使用した『がめつい奴』のわたしの秘蔵の方言テープを渡した。『がめつい奴』の時も出演者はこれを何度も聴いてマスターし芝居を成功させた。土井くんもこのテープを何度も聴いて、大阪弁特有の抑揚を無意識の領域にまで染み込ませてほしいな。大阪弁を演じてるようではドラマにならないからね。
 それはそうと、土井くんは『戦国自衛隊』『いのちの現場から2』『横丁へよーこちょ』『某劇団公演』と、着々と俳優の道をまっしぐらに進んでいる。
 藍より青く!も時間の問題だな。 がんばれ、土井くん!

 追伸 テープを聴くのは寝る前がいいよ。そして、寝言も大阪弁で言えるようになってくれたらサイコーだね。 
MACトップへ