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三澤憲治の演出日記
◇俳優歴13年、演出歴31年の広島で活動する演出家、三澤憲治の演出日記 三澤憲治プロフィール
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2018年4月23日(月)

 桐の花といえば、500円硬貨や花札で見たことはあるが、実際に花が咲いているのを見るのは難しい。わたしの場合、桐の木を広島縮景園で見つけたが、
〈あまりにも大木で、花が咲いたにしても遥か頭上にあるので、撮影することはできないだろう〉  
 と、諦めた。
〈植物公園なら見れるだろう〉  
 と思って桐の花が咲く時期に行ってみたが、植物公園には桐の木そのものがなかった。広島だけでなく、岡山や島根など県外の植物公園にも足を伸ばしたが、桐の花にお目にかかることはできなかった。そこで、夕顔を育てたように、じぶんで育ててみることにした。  
 桐は15年ほどで樹高8~15㍍ほどに生長するので、ある園芸店に桐の苗木を頼んだ時には失笑されたが、ただただ桐の花が見たくて、無理を言って取り寄せてもらった。2015年の初夏のことである。園芸店の人からは、
「花が咲くのは5年後だろう」    
 と言われ、ある盆栽屋さんと話していたら、
「桐で花が咲いてるのを見たことがない」    
 と言われるし、文献を見たら、
「すべての桐に花が咲くわけではない」  
 と書いてあったので、
〈花が咲くのを期待するのは、無謀な望みかな〉  
 と思っていたが、とうとう2017年の夏に花芽がついたのである。
 花芽がついてから、枝先に釣鐘型をした紫色の花が咲くまでに8か月もかかる桐の花。まさに霊鳥「鳳凰」は桐の木にだけ止まるという神話があるように、また、高貴な色である紫色の花を咲かせることから、日本でも神聖な樹木として大切にされてきたのも当然と言える。夕顔や文目(あやめ)と同じようにベランダで鉢植えで育てた桐の花。咲くまで3年かかったのを以下のムービーでお楽しみください。


桐の花ムービー
 

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