M.A.C Garden top 春 Spring 夏 Summer 秋 Autumn 冬 Winter 外伝 Another story
名前
五月躑躅(さつきつつじ)
別名
石躑躅(いわつつじ)
学名
Rhododendron indicum Sweet
分類詳細
ツツジ科 半常緑低木。
6月
10〜100cm
 明治の俳人、正岡子規が京都の保津川下りをした時に、
「下り船 岩に松あり 躑躅あり」
 と詠み、その美しさを讃えたといわれる保津川のイワツツジは、サツキツツジのことで、現在でも京都では、サツキツツジをイワツツジと呼んでいるらしい。
 サツキの呼称は、貝原益軒の『大和本草』からで、それまでの文献はイワツツジである。
 キリシマなど多くのツツジは4〜5月頃に咲くが、サツキツツジは旧暦の皐月に咲くことから命名されたように、花期は一か月遅い。広島では5月のフラワーフェスティバルでツツジが満開に咲いている頃は、サキキツツジはまだ蕾で、6月になると咲いていく。
 東南の邸(源氏の君・紫の上の邸)は山を高く築いて、春の花の木をあらゆる種類を集めて植え、池の風情も格別に素晴らしく、前庭には五葉の松、紅梅、桜、藤、山吹、岩つつじなどという春に楽しむ花ばかりではなく、秋の草木をところどころに混ぜて植えてある。                                  
[少女]
三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋
山越えて 遠津の浜の 石つつじ 我が来るまでに 含みてあり待て
(山越えて 遠津の山の いわつつじ わたしが帰って来るまで 蕾のままで待って いてくれ)
藤原卿(巻七―一一八八)
栲領巾の 鷺坂山の 白つつじ 我ににほはね 妹に示さむ
(鷺坂山の白つつじ わたしに染みついてくれ 帰って妻に見せよう)
 読人しらず(巻九―一六九四)
MACトップへ