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枝垂柳は中国原産の落葉高木で、奈良時代に渡来した。早春、葉が伸びきらないうちに黄緑色の花をつける。花は穂状で、雌雄異株である。雌花にできた実が熟すと、白い綿毛をもった種子が空中に飛び散る。これを「柳絮飛ぶ」という。
柳は、白楽天の『長恨歌』では、
太液の芙蓉
未央の柳
芙蓉は面の如く
柳は眉の如し
此れに対して
如何ぞ涙垂れざらん
(太液池の蓮の花も
未央宮の柳も
蓮の花は妃の顔のよう
柳は眉のよう
これを見てどうして涙が流れないことがあろうか)
と、柳は楊貴妃の眉に例えられている。 |
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この春は 柳のめにぞ 玉はぬく 咲き散る花の ゆくへ知らねば
(今年の春は 柳の芽に 露の玉を貫くように 涙にくれています 咲いて散る桜〔女二の宮〕の行方もわかりませんので)
とおっしゃる。御息所は、それほど深い風情があるわけではないが、当世風で才気のある方と言われていた更衣であった。大将は、
〈なるほどそつがない応対ぶりだ〉
と思われる。 |
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[柏木] |
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三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
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うち上る 佐保の川原の 青柳は 今は春へと なりにけるかも
(上って行く 佐保の川原の 青柳は もうすっかり春らしく なったことだ)
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大伴坂上郎女(巻八―一四三三) |
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霜枯れの 冬の柳は 見る人の 縵にすべく 萌えにけるかも
(霜枯れていた 冬の柳は 見る人の 髪飾りになるほど 芽が出てきた) |
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読人しらず(巻十―一八四六) |
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