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フジは日本の固有種である。日本には「フジ(別名:野田フジ)」と「ヤマフジ」が自生している。野田藤というのは、大阪の野田が藤の名所だったところからいう。
「フジ」は、本州から九州の山野に自生し、花房の長さは30〜100センチで、ほかの樹木に右巻きに巻きつくのが特徴である。
「ヤマフジ」は、近畿地方から九州の山林に生え、花房の長さは10〜30センチと短く、左巻きに巻きつき、花全体が同時に開花することなどからフジと区別できる。白色の「シラフジ」はヤマフジの変種である。
蔓は強靭で、ものを縛り、籠などを編むために利用される。種子は焙って、食用や薬用に利用される。 |
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四月のはじめ、庭先の藤の花が、とても美しく咲き乱れて、ありふれた色香ではなく、このままただ見ているだけでは惜しい花盛りなので、管弦の遊びなどをなさって、日が暮れていくにつれ花の色がいっそう美しく見える頃、頭中将を使者として宰相に手紙を届けられる。
「先日、花の陰でお会いしただけでは物足りないので、暇でしたらお越しくださいませんか」
とある。手紙には、
わが宿の 藤の色こき たそかれに 尋ねやはこぬ 春のなごりを
(わが家の藤の花がいっそう美しい黄昏時に来てみませんか 春の名残りを味わいに)
歌のとおりとても見事な藤の枝に結びつけてある。 |
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[藤裏葉] |
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三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
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藤波の 花は盛りに なりにけり 奈良の都を 思ほすや君
(藤の花は 今満開になった 奈良の都を 恋しく思われますか あなたも)
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大伴四綱(巻三―三三〇) |
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藤波の 咲き行くみれば ほととぎす 鳴くべきときに 近付きにけり
(藤の花がだんだん咲いていくのを見ると ほととぎすが鳴く時が近づいてきたなと思う) |
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田辺史福麻呂(巻十一―二八三四) |
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