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アカマツは、日本特産で、山地に多く生え、樹皮が赤褐色なのでアカマツといわれる。別名メマツ(雌松・女松)と呼ばれるのは、その葉がオマツ(雄松)であるクロマツに比べて柔らかく、幹や枝の姿が優美だからである。
葉は針状で二本ずつ束になっている。雌雄同株で、花は新芽の頂にある二個が雌花で、後でマツカサになり、基部の多くが尾花である。
老木には亀甲状の割れ目が入る。
秋になるとマツタケがとれるのはアカマツ林である。
貝原益軒は『花譜(かふ)』の中で、
「松は百木の長なり、衆木に優れて千年の齢を保ち、霜雪をおかし、日常常に緑なり・・・」
と説明し、『大和本草』では、
「久しく寿をたもつ木なり」
と記している。
正月やめでたいときの「松竹梅」は、中国の「歳寒三友」と同じで、冬の寒さに耐える三種類の植物をいい、
「松は長寿、竹は繁栄、梅は徳」
を象徴するものとされてきた。 |
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季節も秋で悲しさをこらえきれないので、人から離れた部屋で気ままに少し弾いていると、松風がきまり悪いほど琴の響きに調子をあわせる。尼君も悲しそうに物に寄りかかっていらっしゃったが、起き上がって、
身をかへて ひとりかへれる 山里に 聞きしに似たる 松風ぞ吹く
(尼の姿になって一人帰ってきた山里に 明石の浦で聞いたことがあるような松風が吹いている)
明石の君は、
ふる里に 見し世の友を 恋ひわびて さへづることを 誰れかわくらん
(ふるさとの明石の浦で親しくしていた人たちを 恋しく思う気持ちから弾くわたしの琴の音を だれがそれと聞き分けてくれるのでしょう) |
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[松風] |
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三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋 |
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松の葉に 月はゆつりぬ もみち葉の 過ぐれや君が 逢はぬ夜の多き
(松の葉に 月はさしかかった 忘れられたのか あの人が 逢いに来てくれない夜 が多い)
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池辺王(巻四―六二三) |
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一つ松 幾代か経ぬる 吹く風の 声の清きは 年深みかも
(一本松 おまえは何年経ったのか 松風の音が 清く澄んで聞こえるのは 長い年 月が経っているからだろう) |
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市原王(巻六―一〇四二) |
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