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●吉本隆明全著作集6 文学論V
言語にとって美とはなにか 第V部 劇 |
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この本との出会いは、深層のドラマの『演劇の師』で説明しているが、まさに私の演劇の出発点となった書物だ。
「夢見るためには、本を読まなければならない」
と、フランスの哲学者、ミシェル・フーコーは言ったが、この書物ほど、わたしに大いなる夢を見させてくれたものはない。 |
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●言葉と物 ミシェル・フーコー |
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シェイクスピアの『リア王』でわからなかったのは、中世の世界観だった。
このフーコーの『言葉と物』によって、中世の〈類似〉という概念を知ることができ、これを起点に、劇が飛躍的に拡張した。 |
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●狂気の歴史 ミシェル・フーコー |
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『言葉と物』とあわせて、『リア王』の劇的リアリティの助けとなったのが、フーコーの『狂気の歴史』だ。
リア王の狂気は、まさにこの書物と出会うことによって、劇前半の末娘の勘当から設定された。 |
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●共同幻想論 吉本隆明
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演劇の基本は、登場人物の関係性にある。
わたしはこの関係性をこの書物から学んだ。
つまり、演劇や文学などの芸術一般は〈自己幻想〉という関係性の問題であり、家族とか男女のセックスとかは〈対幻想〉という関係性の問題であり、政治とか法律、あるいは国家とか宗教とかは〈共同幻想〉という関係性の問題であるということを。
わたしが戯曲を読むときは、この三つの幻想の領域を頭に入れて、登場人物の関係性をとらえていく。ちなみに共同幻想とは、人間がなんらかの共同性としてこの世界と関係する観念のあり方のことをいう。
だから自己幻想の演劇を共同幻想という領域にまで高めることができたなら、その演劇は世界演劇として認知される。広島のローカル演劇が世界演劇になれる可能性は十分にある。夢は捨ててはならないのだ。 |
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