M.A.C Garden top 春 Spring 夏 Summer 秋 Autumn 冬 Winter 外伝 Another story
名前
杉菜(すぎな)
別名
地獄草(じごくぐさ)
学名
Equisetum arvense
分類詳細
トクサ科
10〜15cm
利尿(茎)
 杉菜は地下茎を伸ばして繁茂する。杉菜の胞子体が土筆(つくし)である。土筆は、伸びきる前は先端まで「袴」に覆われていて、その形状が「筆」に似ていることから、「土筆」という字をあてられたようである。
 このように土筆は和名で、漢名は筆頭菜である。

佐保姫の 筆かとぞ見る つくづくし 雪かきわくる 春の景色は
(佐保姫のための筆かと思った 残雪をかき分けるように頭を出した土筆を見たら[夫木抄・藤原為家])
 宇治山の阿闍梨から、
「年も改まりましたが、いかがお過ごしでしょうか。あなたの延命息災のご祈祷は怠りなく勤めております。今となりましては、あなたさまのことが気がかりで、ご無事をお祈りしております」  
 などと手紙に書いて、蕨や土筆を風情ある籠に入れて、
「これは寺の童子たちが仏にお供えした初物です」    
 と献上した。筆跡はひどい悪筆で、歌は、わざとらしく一字一字離して書いてある。

「君にとて あまたの春を つみしかば 常を忘れぬ 初蕨なり
(父宮のために毎年春には摘んでさし上げたので 今年も忘れずお届けする初蕨です)  

 中の君の前で詠んであげてください」    
 とある。 
[早蕨]
三澤憲治訳『真訳 源氏物語』から抜粋
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